Story of a Masterpiece

2022.04 – VOL.1

いつでも、どこでも、誰とでも。
身近に気軽に親しめる番茶を暮らしの傍に。

奈良のお茶のはじまりは、 弘法大師が唐持ち帰った一粒の種から。
「中川政七商店」が創業した奈良は、全国屈指のお茶どころ。その歴史は古く、はじまりは1200年以上さかのぼると言われています。806年、弘法大師が唐よりお茶の種子を持ち帰り、奈良・宇陀に植えてお茶の製法を伝えたことが奈良のお茶・大和茶の起源。仏教と深く関わっていたお茶は寺院を中心に広がり、時を経て、現在、我々が日常に嗜むようになりました。大和茶は、今もなお月ヶ瀬や田原など、自然豊かな山間部で作り続けられています。
沸かしたお湯を注ぐだけ、 簡単でおいしいから、日常のお茶時間にぴったり。
そんな歴史のある奈良のお茶の中で、今回ご紹介するのは「番茶」。番茶は、煎茶に使用される新芽以外の葉や茎で作られるお茶。もともと「番」という字には、ふだん使いの意味があります。番茶も、つくり手がつくった定義ではなく、飲み手にとっての日常のお茶という意味から、そう呼ばれるようになったという説もあるそうです。その理由の一つが、淹れやすさ。茶葉の量やお湯の温度、抽出する時間によって味の変わる日本茶ですが、番茶は熱湯でワイルドに淹れても苦みが出にくく、長時間おいても渋くなりにくい。そこまで気を配らなくても、おいしく抽出できるところが魅力です。
歴史ある茶園から届くのは さまざまな味わいが楽しい番茶。
「中川政七商店」では奈良の4つの茶園から届く、4種の定番の番茶と3種のシーズナブルシリーズをご提案。太陽の光をいっぱいに浴びて育った露地栽培の茶葉をさらに天日干しし、深く濃い香ばしい味わいが特徴の「天日干し番茶」は、三姉妹が昔ながらの製法を忠実に守り続ける奥吉野の「嘉兵衛本舗」から。月ヶ瀬の山肌に点在する樹齢40年以上の茶山「月ヶ瀬健康茶園」では、ゆっくりと生育した自然栽培の刈下番茶を使用する「ほうじ番茶」を。製茶後に熟成させてから、葉、茎、枝などを部位ごとに選別せず、まるごと深めに焙煎したその味は、すっきりとした甘さと香ばしさが楽しめます。また山添村にある「製茶農園大和園」の「青柳番茶」は、番茶なのに、グリーンの水色が珍しい。このお茶は、煎茶の茶摘みが終わった秋以降、大きく育った葉を摘んだ「秋冬番」と呼ばれる茶葉を使用しています。焙じ加工を施していない製茶は、爽やかな香りとさっぱりとした味が特徴です。地域の茶園を引き継ぎ、自然農園を営んでいるのは大和高原の「健一自然農園」。農薬や肥料を一切使用しない自然茶園に転換し、オリジナルのお茶を提案してくれるこちらの「茶の木番茶」は、薪火で炒り上げたお茶に、黒豆、大麦、玄米などの雑穀をブレンド。スモーキーな香りと雑穀の香ばしさが滋味深い味わいで、さらにこのお茶、カフェインレスというところも魅力的。
茶園やお茶のことを勉強できる エシカルなパッケージもステキ。
近年、消費者のお茶離れが進み、いわゆる耕作放棄地が増えて、茶産地の衰退が進んでいます。この美しい茶畑を残していくために、もっと気軽でおいしいお茶を届けたい。そんな想いで「中川政七商店」は、「番茶」に着目。忙しい日々にも、手軽に気軽においしく淹れられるお茶を飲んでほしい…。番茶シリーズは、番茶色の紙の封を開けるとパッケージの裏側にお茶の特徴や生産者の紹介、お茶の淹れ方などの説明が書かれています。1色刷りのA4サイズのぺーパーが、パンフレットであり包装紙でもあるというエコなスタイルも意識が高く、簡易というわけでもないけれど無駄のない包装が買う側もうれしい。センスのいい切り絵風のパッケージもステキなので、ちょっとしたお礼やお菓子と一緒に…、さりげない贈り物にもぴったりです。簡単においしく飲める番茶は、きっとみんなの「定番茶」に。気持ちいいほど簡単で想像以上においしい、そんなおおらかな番茶を日々の暮らしに。奈良の番茶がきっと100年後もお茶のスタンダードとして親しまれていることを願いつつ…、さて今日も番茶で一服しましょうか。
ライター : いなだみほ

赤穂生まれ、神戸暮らし。お菓子、パン、雑貨などを中心に暮らしに寄り添うモノ、コト、ヒトを雑誌、ウェブなどで取材執筆。イベントの企画などにも携わっています。インスタグラム ▶︎ @mihoalamode

番茶 小袋(ティーバッグ3包入・全7種)各324円、萬古焼の耐熱土瓶9,900円、美濃焼の湯呑1,760円
Shop data
ショップ名
中川政七商店(ナカガワマサシチショウテン)
カテゴリ
生活雑貨
フロア
本館3F 北モール
TEL
0798-31-2417