「中川政七商店」では奈良の4つの茶園から届く、4種の定番の番茶と3種のシーズナブルシリーズをご提案。太陽の光をいっぱいに浴びて育った露地栽培の茶葉をさらに天日干しし、深く濃い香ばしい味わいが特徴の「天日干し番茶」は、三姉妹が昔ながらの製法を忠実に守り続ける奥吉野の「嘉兵衛本舗」から。月ヶ瀬の山肌に点在する樹齢40年以上の茶山「月ヶ瀬健康茶園」では、ゆっくりと生育した自然栽培の刈下番茶を使用する「ほうじ番茶」を。製茶後に熟成させてから、葉、茎、枝などを部位ごとに選別せず、まるごと深めに焙煎したその味は、すっきりとした甘さと香ばしさが楽しめます。また山添村にある「製茶農園大和園」の「青柳番茶」は、番茶なのに、グリーンの水色が珍しい。このお茶は、煎茶の茶摘みが終わった秋以降、大きく育った葉を摘んだ「秋冬番」と呼ばれる茶葉を使用しています。焙じ加工を施していない製茶は、爽やかな香りとさっぱりとした味が特徴です。地域の茶園を引き継ぎ、自然農園を営んでいるのは大和高原の「健一自然農園」。農薬や肥料を一切使用しない自然茶園に転換し、オリジナルのお茶を提案してくれるこちらの「茶の木番茶」は、薪火で炒り上げたお茶に、黒豆、大麦、玄米などの雑穀をブレンド。スモーキーな香りと雑穀の香ばしさが滋味深い味わいで、さらにこのお茶、カフェインレスというところも魅力的。
近年、消費者のお茶離れが進み、いわゆる耕作放棄地が増えて、茶産地の衰退が進んでいます。この美しい茶畑を残していくために、もっと気軽でおいしいお茶を届けたい。そんな想いで「中川政七商店」は、「番茶」に着目。忙しい日々にも、手軽に気軽においしく淹れられるお茶を飲んでほしい…。番茶シリーズは、番茶色の紙の封を開けるとパッケージの裏側にお茶の特徴や生産者の紹介、お茶の淹れ方などの説明が書かれています。1色刷りのA4サイズのぺーパーが、パンフレットであり包装紙でもあるというエコなスタイルも意識が高く、簡易というわけでもないけれど無駄のない包装が買う側もうれしい。センスのいい切り絵風のパッケージもステキなので、ちょっとしたお礼やお菓子と一緒に…、さりげない贈り物にもぴったりです。簡単においしく飲める番茶は、きっとみんなの「定番茶」に。気持ちいいほど簡単で想像以上においしい、そんなおおらかな番茶を日々の暮らしに。奈良の番茶がきっと100年後もお茶のスタンダードとして親しまれていることを願いつつ…、さて今日も番茶で一服しましょうか。